2枚の生地を貼り合わせた上質な作りで、軽さと暖かさを兼ね備えたダブルフェイスコート。
軽く羽織れるおしゃれな冬アウターとして、幅広い世代から人気があります。
この記事では、ダブルフェイスコートの特徴や着用時期、選び方まで詳しく解説します。
ダブルフェイスコートとは2枚の布を貼り合わせた軽いコート

ダブルフェイスコートとは、2枚の生地を1枚に貼り合わせて作られた特殊な仕立てのコートのこと。
一般的なコートのように表地と裏地を別々に縫製するのではなく、2枚の布を重ねて一体化させる「リバー仕立て」という技法で作られています。
この製法により、柔らかく軽いのに2枚分の生地で暖かさもキープできる機能的な特徴があります。
見た目にも高級感があり、縫い目が表に出ない美しい仕上がりが魅力です。
一枚の布で仕立てるリバー縫製の特徴
リバー仕立てとは、2枚の布を裏返しながら縫い合わせる特殊な縫製技法。
通常のコートのように裏地を付けず、2枚の生地だけで完成させるため「リバーシブル」の略として「リバー」と呼ばれています。
縫い代が内側に隠れるため、風でコートがめくれても裏側が見えている感じがなく、どこから見ても美しいのが特徴。
職人の高い技術が必要な縫製方法で、上質なコートに用いられることが多い製法です。
ダブルフェイスコートのメリット

裏地がなく軽くて着心地が良い
ダブルフェイスコートの最大のメリットは、裏地がない分とても軽く、柔らかな着心地が楽しめること。
通常のウールコートは表地と裏地の間に芯地が入るため重くなりがちですが、ダブルフェイスはその重さがありません。
肩が凝りやすい方や、長時間着用する通勤シーンにもおすすめです。
2枚の生地の間に空気層ができることで、軽いのに保温性も確保できる優れた構造になっています。
リバーシブルで着用できるデザインも
ダブルフェイスコートのなかには、表裏で色や素材が異なるリバーシブルタイプも展開されています。
1着で2通りの着こなしが楽しめるため、コーディネートの幅が広がりお得感もあります。
バイカラーデザインなら、袖を折り返して配色をアクセントにする着こなしも可能です。
気分やシーンに合わせて表情を変えられるのは、ダブルフェイスならではの魅力と言えるでしょう。
縫い代がなく見た目が上品で美しい
縫い代が内側に隠れる構造のため、表からも裏からも縫い目が見えず、非常に美しい仕上がり。
生地が滑らかで上品な印象があり、きれいめスタイルにぴったりです。
チェスターコートやノーカラーコートなど、シンプルなデザインが主流のため、大人の洗練されたコーディネートが完成します。
ビジネスシーンからカジュアルまで、幅広く活躍してくれる優秀アイテムです。
ダブルフェイスコートのデメリット

風を通しやすく真冬は寒い
ダブルフェイスコートは裏地がない分、風を通しやすく、真冬の防寒としては物足りない場合があります。
特にラグラン袖などアームホールがゆったりしたデザインが多いため、袖口や首元から冷気が入りやすいのがデメリット。
厳寒期に着用する際は、インナーダウンや厚手のニットを重ね着したり、大判ストールを巻いたりして防寒対策をしましょう。
シワになりやすく型崩れしやすい
裏地がなく柔らかい生地感が特徴のため、通常のコートに比べてシワになりやすいのが難点です。
長時間座っていたり、カバンに押されたりするとシワが付きやすく、型崩れもしやすい傾向があります。
着用後はハンガーに掛けてシワを伸ばし、定期的にブラッシングでケアすることが大切。
保管時も他の衣類に押しつぶされないよう、ゆとりを持たせて収納する配慮が必要です。
一般的なウールコートより価格が高い
ダブルフェイスコートは職人の手作業による丁寧な縫製が必要なため、一般的なウールコートより価格が高めに設定されています。
高級な素材と贅沢な仕立てが特徴で、10万円前後から20万円以上するものも珍しくありません。
ただし、軽さや着心地、デザイン性の高さを考えると、長く愛用できる投資価値のあるアイテムと言えます。
ダブルフェイスコートの着用時期の目安は10月~4月

ダブルフェイスコートは風を通しやすい特性から、真冬の防寒着というより秋から春にかけての季節の変わり目に活躍します。
着用時期の目安は10月から4月頃まで。
朝晩の冷え込みが始まる秋口から、まだ肌寒さが残る春先まで長く楽しめるのが魅力です。
地域や気温によって調整は必要ですが、インナーで温度調節すれば幅広いシーズンで活用できますよ。
秋(10月~11月)の着こなし例

秋は重ね着を楽しめる季節。
薄手のニットやカットソーの上にダブルフェイスコートを羽織るだけで、こなれた印象のコーディネートが完成します。
ボトムスはデニムやチノパンなどカジュアルなアイテムを合わせて、リラックス感のあるスタイリングがおすすめです。
足元はスニーカーやフラットシューズで軽やかにまとめましょう。
冬(12月~2月)の着こなし例

真冬に着用する場合は、インナーダウンや厚手のタートルネックニットなどでしっかり防寒対策を。
大判のストールやマフラーを首元に巻くことで、冷気の侵入を防げます。
ボトムスは温かみのあるウールパンツやコーデュロイパンツを選ぶと良いでしょう。
足元はショートブーツやロングブーツで防寒しながら、おしゃれも忘れずに。
春(3月~4月)の着こなし例

春は軽やかなスタイリングを意識して。
白いブラウスやシャツにダブルフェイスコートを合わせれば、清潔感のある春らしいコーディネートに仕上がります。
ボトムスはフレアスカートやワイドパンツなど、動きのあるアイテムを選ぶと季節感が出ます。
足元はパンプスやバレエシューズで女性らしさをプラスしましょう。
後悔しないダブルフェイスコートの選び方

素材で選ぶウールやカシミヤが定番
ダブルフェイスコートの素材は、ウールやカシミヤが定番です。
ウールは保温性と上質感に優れ、長く愛用できる素材。
カシミヤを混紡したタイプは、軽やかで柔らかく、高級ブランドでも多く採用されています。
購入前に素材の割合をチェックし、肌触りを確認することをおすすめします。
デザインで選ぶ着回しやすいノーカラーやチェスター
ダブルフェイスコートは、チェスターコートやノーカラーコート、ガウンコートなどきれいめデザインが主流。
初めて購入するなら、着回しやすいベーシックなデザインを選ぶのが無難です。
おすすめデザイン一覧
| デザイン | 特徴 | おすすめシーン |
|---|---|---|
| チェスターコート | 襟付きで上品 | ビジネス、通勤 |
| ノーカラーコート | すっきり軽やか | カジュアル、休日 |
| ガウンコート | ベルト付きで調整可能 | リラックス、お出かけ |
色はネイビーやベージュ、グレーなどベーシックカラーが合わせやすくおすすめです。
長く愛用するためのお手入れと保管方法

着用後はブラッシングで汚れを落とす
ダブルフェイスコートは柔らかい生地のため、日々のケアが長持ちの秘訣です。
着用後は必ず洋服用ブラシで上から下に向かって優しくブラッシングしましょう。
表面のホコリや花粉を落とすだけでなく、繊維の流れを整えることで生地の劣化を防げます。
ブラッシング後は、風通しの良い場所でしっかり湿気を飛ばしてから収納することが大切です。
クリーニングはシーズン終わりに1回
ダブルフェイスコートのクリーニングは、シーズンが終わった時に1回が目安です。
頻繁にクリーニングに出すと、かえって生地を傷めてしまう可能性があります。
クリーニングに出す際は、「ダブルフェイス」または「リバー仕立て」であることを必ず伝えましょう。
通常のコートとは異なる扱いが必要なため、専門知識のあるクリーニング店を選ぶと安心です。
まとめ
ダブルフェイスコートは、2枚の生地を貼り合わせた特殊な仕立てで、軽さと暖かさを兼ね備えた上質なアイテムです。
裏地がないため軽くて着心地が良く、リバーシブルで楽しめるデザインも豊富。
ただし、風を通しやすく真冬は寒い、シワになりやすい、価格が高いといったデメリットもあります。
着用時期は10月から4月頃を目安に、インナーで調整しながら長く楽しみましょう。
素材やデザインをしっかり吟味し、適切なお手入れをすれば、長く愛用できますよ。
ぜひこの記事を参考に、自分にぴったりのダブルフェイスコートを見つけてくださいね。






