ダンボールニットは、表地と裏地を中糸で繋ぎ合わせた二重構造の特殊なニット素材。
その断面がまるで段ボールのようになっていることから、この名前がつけられました。
軽さと保温性を兼ね備え、上品な印象を与えられる素材として、近年パーカーやワンピース、ジャケットなど幅広いアイテムに使用されています。
この記事では、ダンボールニットの特徴やデメリット、似ている素材との違い、最適な着用シーズンまで詳しくご紹介します。
ダンボールニットの特徴

段ボールのような構造が生むハリ感
ダンボールニットは、表地と裏地の2枚の生地を中糸でつなぎ合わせた特殊な構造をしています。
中糸がジグザグに立つように編まれているため、断面が梱包用の段ボールに似ているのが名前の由来です。
この構造により程よいハリ感が生まれ、シワになりにくい特徴があります。
立体的なシルエットを保ちやすいため、フードやパフスリーブなどデザイン性の高いアイテムにも最適。
スポーティーでありながら上品な印象を演出できる素材として人気を集めています。
軽さと優れた保温性の両立
表地と裏地の間に空気層ができる構造のため、外気の影響を受けにくく高い保温性を発揮。
見た目には厚みがあってボリューム感がありますが、中が空洞構造なので驚くほど軽いのも魅力です。
長時間着用してもストレスを感じにくく、秋冬のスタメンとして活躍してくれます。
また、ニット素材特有の伸縮性もあるため、体の動きを邪魔せず快適に過ごせるのも嬉しいポイントです。
シワになりにくく手入れが簡単
ダンボールニットは程よいハリ感があり、シワになりにくいのも特徴のひとつです。
バッグやスーツケースにたたんで収納しても型崩れしにくいため、旅行時にも便利。
アイロンがけの手間が少なく、忙しい毎日でも気軽に着られます。
耐久性も高く、厚みがあるため生地が傷みづらいのもいいですね。
洗濯表示を確認すれば自宅で洗えるものも多く、お手入れが簡単なのも嬉しいところ。
洗濯する際は、洗濯ネットに入れてドライコースで洗うと長持ちします。
購入前に知るべき2つのデメリット

毛玉ができやすい
ポリエステルやレーヨンなどの化学繊維、ウール素材のダンボールニットは、摩擦によって毛羽立ちや毛玉が起こりやすいです。
特に注意したいのが、カバンを掛ける肩部分や脇の下など擦れやすい箇所。
着用や洗濯の際の摩擦で、細かい毛玉ができてしまうことがあります。
毛玉を防ぐには、裏返して洗濯ネットに入れて洗うのがおすすめです。
また、着用後はブラシで軽く毛並みを整えることで、毛玉の発生を抑えられます。
できてしまった毛玉は、毛玉取り器や専用ブラシで優しく取り除きましょう。
「安っぽい」と言われる場合も…
ダンボールニットは機能性に優れた素材ですが、選び方によっては「安っぽい」印象になることも。
特に薄手で生地がペラペラしているものや、ポリエステル100%の光沢が強すぎるものは要注意です。
質の良いダンボールニットを選ぶポイントは、適度な厚みがあり、生地に程よい重さがあるもの。
上品な印象を与えるには、落ち着いた色味でシンプルなデザインを選ぶのがおすすめです。
素材の質感をしっかり確認して、自分の好みに合ったアイテムを選びましょう。
似ているポンチ素材との違いを比較

ダンボールニットとよく比較されるのが「ポンチ素材」です。
どちらも二重構造のニット素材ですが、製法や特徴に違いがあります。
| 比較項目 | ダンボールニット | ポンチ素材 | 
|---|---|---|
| 製法 | 表地と裏地を中糸で繋ぐ | 両面機で裏と表を同時に編む | 
| 厚み | やや薄め〜中厚 | やや厚め | 
| 伸縮性 | 程よい伸縮性 | 優れた伸縮性 | 
| ハリ感 | 強めのハリ | 程よいハリ | 
| 用途 | カジュアル〜きれいめ | カジュアル〜きれいめ | 
ポンチ素材は伸縮性に優れており、シワになりにくく型崩れしにくい特性があります。
ダンボールニットは空気層による保温性と軽さが特徴的。
どちらもハリ感があって上品な印象を与えられる素材ですが、ポンチの方が伸縮性が高く柔らかく、スカートやパンツにもよく使われます。
一方、ダンボールニットは立体的なシルエットを保ちやすいのが魅力で、トップスやアウターに多く用いられます。
ダンボールニットの着用に最適な季節

メインシーズンは春・秋・冬
ダンボールニットは二重構造により高い保温性を発揮するため、寒い時期に最適な素材です。
特に活躍するのは、気温が下がり始める秋から冬にかけて。
1枚で着るのはもちろん、真冬のインナーとしても活躍します。
春先の肌寒い時期にも、程よい厚みと保温性が重宝します。
薄手のダンボールニットなら、春のライトアウターとしても活用できるでしょう。
パーカーやトレーナー、カーディガンなど、秋冬春の3シーズンで幅広く着回せるアイテムが豊富です。
夏には不向きな理由
ダンボールニットは保温性に優れているため、夏場では暑く感じる可能性があります。
二重構造で空気層があることで体温を保持してしまうため、暑い季節には不向き。
エアコンの効いた室内でも、夏の気温では蒸れやすく快適に過ごせません。
ダンボールニット素材のアイテムは、基本的に秋冬春用と考えるのが賢明です。
夏に軽いニット素材が欲しい場合は、天竺編みやスムース素材など通気性の良い薄手のニットを選びましょう。
季節に合わせた素材選びをすることで、快適なファッションを楽しめます。
まとめ
ダンボールニットは、表地と裏地を中糸でつないだ特殊な構造の素材です。
軽さと保温性を兼ね備え、シワになりにくく手入れも簡単なのが魅力。
ハリ感があり上品な印象を与えられるため、カジュアルからきれいめまで幅広く活用できます。
ただし、摩擦による毛玉ができやすい点や、選び方によっては安っぽく見えてしまう点には注意が必要です。
似た素材のポンチと比べると、ダンボールニットは保温性と軽さに優れ、立体的なシルエットを保ちやすいのが特徴。
着用シーズンは秋・冬・春がメインで、夏には不向きです。
これらのポイントを押さえて、ダンボールニットのアイテムを上手に取り入れてみてください。






 
			 
			 
			 
			 
			 
			 
			