お気に入りのウールニットやコートに毛玉ができてしまって、がっかりした経験はありませんか。
ウール100%は高級感があり暖かい素材ですが、実は毛玉ができやすい特性を持っています。
しかし正しい知識とケア方法を身につければ、毛玉を最小限に抑えて長く美しく着用できます。この記事では、ウール100%の毛玉ができる理由から予防策、できてしまった毛玉の正しい取り方まで詳しく解説します。
結論ウール100%は毛玉ができやすい素材

ウール100%の衣類は毛玉ができやすい素材ですが、天然繊維のため一本一本の繊維が短くて柔らかく、毛玉ができても自然に脱落しやすいという特徴があります。
アクリルやポリエステルなどの化学繊維は強度が高いため、一度毛玉ができると生地にしっかり留まってしまいますが、ウール100%だと毛玉ができても目立ちにくいのです。
毛玉ができる理由
毛玉ができる主な原因は「摩擦」と「静電気」の2つです。
着用時や洗濯時の摩擦によって生地の表面が毛羽立ち、その毛羽が束になって絡まり合うことで、毛玉ができるのです。
特にウールは繊維の表面がうろこ状で縮れているため、繊維同士が絡まりやすい構造をしています。
また、脇や袖の内側など繊維同士がこすれやすい部分や、リュックやカバンが当たる部分は毛玉ができやすい箇所です。
さらに、静電気も毛玉の原因となります。
冬場に発生しやすい静電気は、繊維同士をくっつけて絡まりを促進してしまうのです。
今すぐできる毛玉の予防策

毛玉を防ぐには、日々のケアが重要です。
同じ衣類を連続して着用しない
着用すると衣類が汗などの湿気を吸い込み、摩擦の力が強くなって繊維が痛みやすくなります。
1日着たら2〜3日休ませるローテーション着用を心がけましょう。
洗濯するときは擦らず優しく
洗濯時は、裏返してネットに入れて洗うことで表面の摩擦を軽減できます。
また柔軟剤を使用すると静電気を抑えられるため、毛玉防止に効果的です。
異素材の重ね着にも注意
ウールとポリエステルは帯電性が異なるため、重ね着すると静電気が発生しやすくなります。
できるだけ同じ素材同士を重ねるか、間にインナーを挟むようにしましょう。
着用後のブラッシングとローテーション着用
毎日のケアで効果的なのが、着用後のブラッシングです。
衣類用のブラシを使って、優しく毛並みを整えることで毛玉の予防になります。さらにホコリや汚れも取り除いてくれるので、ぜひ取り入れたいですね。
特に脇や袖、肩など摩擦が起きやすい部分は入念にブラッシングしましょう。
ブラシは天然毛(豚毛や馬毛)のものがおすすめです。
また、前述したローテーション着用も非常に重要です。
同じニットを毎日着続けると、繊維が休む暇がなく毛玉ができやすくなります。
少なくとも2〜3着をローテーションすることで、それぞれの衣類が湿気を放出し回復する時間を持てます。
保管時はハンガーにかけて風通しの良い場所に置き、型崩れを防ぎながら湿気を逃がしましょう。
毛玉になりにくいウールの見分け方

購入時に毛玉になりにくいウール製品を選ぶことも重要です。
まずチェックすべきは生地の硬さです。
しっかりとした糸を使った硬めの生地は、繊維が毛羽立ちにくいため毛玉ができにくい傾向があります。
反対に、フランネルなど表面が起毛している生地や、柔らかいふわふわした風合いの生地は毛玉ができやすいので注意が必要です。
また、メリノウールやカシミヤなど繊維が細く柔らかい素材は、毛玉ができても自然に脱落しやすい特徴があります。
編み目が詰まったニットよりも、緩やかな編み目のニットの方が毛玉になりやすい傾向にあるため、購入時は編み目の密度も確認しましょう。
できてしまった毛玉の正しい取り方

毛玉ができてしまった場合、正しい方法で取り除くことが大切です。
主な方法は「毛玉取りブラシ」と「電動毛玉取り器」の2種類があります。
どちらも正しく使えば効果的ですが、使い方を間違えると生地を傷めてしまうので注意が必要です。
毛玉取り自体が繊維を刈り取る行為であるため、頻繁に行うと衣類の寿命を縮めてしまいます。
できるだけ毛玉を作らない予防ケアを優先し、毛玉取りは必要最小限にとどめましょう。
毛玉取りブラシで繊維を整えながら除去
毛玉取りブラシは、生地を傷めにくい方法として推奨されています。
使用方法は、平らな場所に衣類を置き、ブラシの先端で優しく毛玉を引っ掛けて撫でるようにかけます。
力を入れすぎず、繊維の流れに沿ってブラッシングすることがポイントです。
力加減が難しく、慣れるまで時間がかかることがあるので、初めて使う場合は、時間に余裕のある時に目立たない部分で練習してから使用しましょう
電動毛玉取り器で広範囲の毛玉を素早く除去
電動毛玉取り器は、広範囲の毛玉を短時間で取り除ける便利な道具です。
使用時は、毛玉がある箇所を片手で押さえ、くるくると優しく回しながら毛玉を取り除きます。
重要なのはカッターの高さ設定です。
高さ設定を誤ると、毛玉がうまく取れなかったり、衣類に穴が開いてしまうことがあります。
使用前に必ず説明書を確認し、生地の厚さに合わせた適切な設定を行いましょう。
ただし使いすぎると生地が薄くなってしまうため、必要な部分だけに使用することを心がけてください。
やってはいけない毛玉のNGケア

毛玉が目立ってくると、すぐに取りたくなってしまいますが、注意すべきNGケアもあるので気をつけましょう。
- 手で引っ張ってちぎる
- スポンジで取る
- ハサミやカミソリで切る
毛玉を手で引っ張ると周囲の繊維まで引っ張られ、生地が傷んでしまいます。
また新たな毛羽立ちを作り、さらに毛玉が増える原因になります。
スポンジで擦って取る方法も摩擦が増えて余計に毛羽立ち、毛玉を増やしてしまう可能性が高いため避けた方が良いでしょう。
ハサミやカミソリを使うのは、うっかり衣類に穴が開いてしまう恐れがあるため、あまりおすすめできません。
また、毛玉取り器を頻繁に使いすぎることも衣類の寿命を縮める原因になります。
「毛玉ができたら取ればいい」という考え方ではなく、毛玉を作らないケアを優先することが大切です。
毛玉になりやすい素材ランキング

毛玉のできやすさは素材によって大きく異なります。
以下、毛玉になりやすい素材をランキング形式で紹介します。
| 順位 | 素材 | 特徴 |
|---|---|---|
| 1位 | アクリル | 毛足が長く絡まりやすい。静電気が発生しやすく、強度が高いため毛玉が脱落しない |
| 2位 | ポリエステル | 強度が高く毛玉が生地に残りやすい。静電気が発生しやすい |
| 3位 | ウール・ナイロン混紡 | 異なる特性の繊維が絡まり合い毛玉になりやすい |
| 4位 | ウール100% | 毛玉はできやすいが自然に脱落しやすい |
| 5位 | カシミヤ | 柔らかく毛玉はできるが、取れやすい高級素材 |
| 6位 | 綿 | 繊維が短いため比較的毛玉になりにくい |
化学繊維は強度が高いため、一度毛玉ができると取れにくいのが特徴です。
天然繊維は毛玉ができても自然に落ちやすいため、適切なケアをすれば長く美しく着用できますよ。
まとめ
ウール100%は毛玉ができやすい素材ですが、天然繊維ならではの「自然に脱落する」という特性があります。
毛玉の主な原因は摩擦と静電気であり、着用後のブラッシングとローテーション着用が最も効果的な予防策です。
できてしまった毛玉は、毛玉取りブラシや電動毛玉取り器で正しく除去しましょう。
手で引っ張ったりスポンジで擦ったりするNGケアは、生地を傷めて毛玉を増やす原因になります。
購入時に硬めの生地を選ぶことや、柔軟剤の使用、裏返し洗濯などの工夫で、毛玉の発生を最小限に抑えられます。
日々の丁寧なケアで、大切なウール製品を長く美しく保ちましょう。



