シンプルで上品なデザインが魅力のステンカラーコート。
通勤からカジュアルシーンまで幅広く活躍する万能アウターですが、トレンチコートやチェスターコートとの違いがわからない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ステンカラーコートの基本的な特徴や他のコートとの見分け方、さらに自分に似合う選び方やおしゃれなコーディネート例までご紹介します。
ステンカラーコートの基礎知識

ステンカラーコートの定義と特徴
ステンカラーコートは、後ろ襟が高く前に向かって低く折り返す「ステンカラー(立ち襟)」が最大の特徴です。
正式名称は「バルマカーンコート」と呼ばれ、もともとレインコートの一種として誕生しました。
シンプルな一枚襟のデザインで、フロントはボタン留めが基本。
装飾が少なくすっきりとしたシルエットなので、どんなスタイルにも合わせやすいのが魅力です。
素材はウール、コットン、ナイロンなどさまざまで、季節や用途に応じて選べます。
名前の由来と歴史
「ステンカラー」という名前は、実は和製英語です。
語源には諸説あり、「Stand(立つ)」と「Fall(倒れる)」を組み合わせた「スタンド・アンド・フォール・カラー」がなまった説が有力とされています。
また、フランス語で「支える」を意味する「soutien(スティアン)」から派生したという説もあります。
発祥地はスコットランドの「バルマカーン」という地域で、19世紀に誕生しました。
防水性を重視した実用的なコートとして生まれ、現在では世界中でファッションアイテムとして愛されています。
トレンチコート・チェスターコートとの違い

デザインの違いが一目でわかる比較表
それぞれのコートの特徴を表で比較してみましょう。
| 項目 | ステンカラーコート | トレンチコート | チェスターコート |
|---|---|---|---|
| 襟のデザイン | 一枚襟(後ろ高め) | 大きな襟+ストームシールド | テーラードカラー(背広襟) |
| フロント | シンプルなボタン留め | ダブルボタン+ベルト | シングル/ダブルボタン |
| 装飾 | ほとんどなし | エポレット、ベルトなど多数 | 少ない |
| 丈 | 膝上〜膝下 | 膝丈が多い | 膝上〜膝下 |
| 印象 | シンプル・上品 | ミリタリー・クラシック | フォーマル・きちんと |
この表を見れば、それぞれのコートの特徴が一目瞭然です。
トレンチコートとの決定的な違い
トレンチコートとステンカラーコートの最大の違いは「装飾の多さ」にあります。
トレンチコートは、もともと第一次世界大戦時のイギリス軍用コートとして開発されたため、実用的な機能パーツが豊富です。
肩のエポレット(肩章)、防水機能を高めるストームシールド、ウエストベルトなどが特徴的。
一方、ステンカラーコートはこうした装飾がほとんどなく、ミニマルなデザインです。
襟の形も異なり、トレンチコートは大きく開いた襟に対し、ステンカラーは後ろが高く前が低い独特の襟型になっています。
カジュアルからビジネスまで、よりシンプルに着こなしたいならステンカラーコートがおすすめです。
チェスターコートとの決定的な違い
チェスターコートとの違いは「襟の形状」がわかりやすいポイントです。
チェスターコートの襟は、スーツのジャケットと同じ「テーラードカラー(背広襟)」が特徴。
上襟と下襟に分かれた構造で、Vラインのラペル(下襟)がきちんと感を演出します。
対してステンカラーコートは一枚襟で、折り返し部分が緩やかなカーブを描く柔らかい印象です。
チェスターコートの方がフォーマル度が高く、ビジネススーツの上に羽織るのに適しています。
ステンカラーコートはよりカジュアルで、日常使いしやすいデザインと言えるでしょう。
ステンカラーコートが似合う人とダサく見えない選び方

骨格診断で見る似合う人の特徴
骨格タイプによって、似合うステンカラーコートの選び方が変わります。
ストレートタイプの方は、厚手の生地でハリのある素材がおすすめ。
身体に沿うシルエットよりも、ややゆとりのあるIラインシルエットが上半身のボリュームをカバーしてくれます。
ウェーブタイプの方は、軽やかな素材でウエストマークできるベルト付きがベスト。
柔らかい生地が華奢な体型を優しく包み込み、女性らしさを引き立ててくれます。
ナチュラルタイプの方は、オーバーサイズのゆったりシルエットが得意。
骨格のしっかり感を活かせる、ラフでこなれた着こなしが似合います。
ダサ見えを防ぐサイズ選びの3つのポイント
1. 肩幅は自分のサイズ+1〜2cm程度が理想
肩が落ちすぎるとだらしなく、きつすぎると窮屈に見えてしまいます。
肩の縫い目が肩先からやや外側に来る程度がちょうど良いバランスです。
2. 着丈は身長に合わせて選ぶ
膝上〜膝丈が基本ですが、身長が低めの方は膝上丈、高めの方は膝丈を選ぶとバランスが取れます。
着丈が長すぎると足が短く見えてしまうので要注意。
3. 袖丈は手の甲が半分隠れる程度
袖が長すぎるとだらしなく、短すぎるとサイズが合っていない印象になります。
親指の付け根あたりまでの長さがベストです。
ステンカラーコートを着用する季節

最適な季節は春と秋冬
ステンカラーコートは主に春と秋冬に活躍するアイテムです。
薄手のコットンやナイロン素材なら、春先や秋口の15〜20度前後の気温に最適。
朝晩の冷え込みや風をしっかり防いでくれます。
厚手のウールやメルトン素材であれば、本格的な冬にも対応できます。
防寒性を重視するなら、ウール素材や裏地付き、キルティング仕様を選びましょう。
一枚のコートで長いシーズン着回せるのがステンカラーコートの魅力です。
冬に着用する場合のインナー選び
冬にステンカラーコートを着る場合、インナー選びが快適さの鍵になります。
薄手のコートなら、厚手のニットやスウェットとレイヤードするのがおすすめ。
首元が寒い場合は、タートルネックやマフラーをプラスして防寒対策を。
厚手のコートでも、ヒートテックなどのインナーを重ね着すれば真冬も快適です。
ただし、着膨れしないようインナーは体にフィットするものを選びましょう。
コートの前を閉めた時にもたつかない程度のボリュームに抑えることがポイントです。
ステンカラーを使ったレディースおすすめコーディネート
きれいめ通勤コーデ
ステンカラーコートは、ビジネスシーンからカジュアルまで幅広く活躍するきれいめアイテムとして人気です。
ベージュコート×ニット×センタープレスパンツ

定番のベージュコートに、柔らかなニットとネイビーのセンタープレスパンツを合わせれば、上品な通勤スタイルの完成。
足元はパンプスやローファーで品良くまとめて。
黒コート×ブラウス×タイトスカート

黒のステンカラーコートは、きちんと感が出てオフィスカジュアルにぴったり。
白ブラウスとタイトスカートで洗練された印象に。
バッグやシューズはレザー素材で統一すると、より洗練された雰囲気になります。
チェック柄コート×シンプルニット×デニム

トラッドなチェック柄のステンカラーコートは、シンプルなインナーと合わせることで柄を活かしたきれいめスタイルが完成します。
おしゃれカジュアルコーデ
ライトブラウンコート×白ニット×カーゴパンツ

ナチュラルなライトブラウンのステンカラーコートに白ニットとカーゴパンツを合わせると、優しく柔らかなカジュアルスタイルになります。
足元はスニーカーやフラットシューズでリラックス感をプラス。
グレーコート×ボーダーTシャツ×デニム

グレーのステンカラーコートは、カジュアルなボーダーTシャツとデニムの組み合わせとも相性抜群。
シンプルなコーデもコート一枚で大人っぽくアップグレードできます。
ベージュコート×ニットスカート×ロングブーツ

ベージュコートにミニ丈のニットスカート、タイツ、ロングブーツを合わせれば、今っぽいすっきりシルエットに。
甘さを抑えたハンサムな着こなしが完成します。
まとめ
ステンカラーコートは、シンプルな一枚襟と装飾の少ないデザインが特徴のコートです。
トレンチコートのようなミリタリーディテールやチェスターコートのようなテーラード襟がなく、ミニマルで上品な印象が魅力。
骨格や身長に合わせたサイズ選びをすれば、ダサ見えせず洗練されたスタイルが完成します。
春と秋冬の長いシーズン着回せる万能アイテムなので、一枚持っておくと大変便利です。
通勤からカジュアルまで、幅広いシーンで活躍するステンカラーコートを、ぜひワードローブに取り入れてみてください。





