透け感のあるシアー素材。
涼しげで軽やかな印象を演出できますが、「どう着こなせばいいの?」「インナーは何を着れば?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ファッション用語「シアー」の正しい意味から、シースルーとの違い、インナーの選び方、さらにアイテム別のコーデ術まで詳しく解説します。
初心者の方でも失敗しない着こなしのコツをご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
ファッション用語「シアー」の正しい意味

「透け感のある薄い素材」の総称
シアーとは英語の「sheer」で「透き通った」「透明感のある」という意味です。
ファッション業界では、薄手で透け感のある素材全般を指す言葉として使われています。
オーガンジーやシフォン、チュール素材など透けて見えるもののことを指します。特定の織り方を指すのではなく、透明感のある薄い素材すべてをまとめて「シアー素材」と呼びます。
シアーは1990年代の終わりごろから使われるようになった比較的新しい表現です。最近ではメイクでも「シアーメイク」という言葉が使われるなど、透明感を表現する際に幅広く用いられています。
代表的なシアー素材3種:オーガンジー・シフォン・ボイル
シアー素材にはさまざまな種類がありますが、特に代表的なものを3つご紹介します。
オーガンジー
細い糸で密度を高く織られた薄く透明感のある平織物です。張り感があり、ふわっとしたボリューム感を出しやすいのが特徴。スカートやブラウスの袖部分などに使われます。
シフォン
とても薄手で柔らかく、地が透けて見える平織物です。細い糸で織られるため繊細で、シワになりにくい性質があります。風が吹くとふわりと舞う軽やかさが魅力です。
ボイル(楊柳)
薄く軽い平織物で、表面に独特のシワ感があります。肌に張りつきにくく、通気性が良いため夏向きの素材として人気があります。
これらの素材はそれぞれ異なる質感を持ちながら、共通して「透明感」「軽やかさ」を演出してくれます。
「シースルー」との明確な違いを一覧比較

透け感の度合いと素材の違い
シアーとシースルーは似た意味を持つ言葉ですが、微妙な違いがあります。
シアーのほうが透けすぎていない素材に対して使われることが多く、シースルーはより透明度が高い素材に対して使われる傾向があります。
項目 | シアー | シースルー |
---|---|---|
透け感 | 控えめ〜ほどよい透明感 | 高い透明度、大胆な透け感 |
素材感 | マットな質感が多い | 光沢のあるツルッとした生地が多い |
登場時期 | 1990年代後半から | 以前から長く使われている |
印象 | 上品で軽やか | セクシーで大胆 |
与える印象とおすすめの着用シーン
シアー素材
ナチュラルで上品な抜け感を演出できます。オフィスカジュアルから普段使いまで幅広いシーンで活躍。デイリーコーデに取り入れやすく、大人女性にも挑戦しやすいアイテムです。
シースルー素材
より大胆で華やかな印象を与えます。パーティーシーンや特別な日のお出かけにぴったり。インパクトのあるスタイリングを楽しみたいときにおすすめです。
シアー素材のほうが普段使いしやすいアイテムが多いのも特徴です。初めて透け感アイテムに挑戦する方は、まずシアー素材から始めると失敗が少ないでしょう。
シアートップスのインナー選び【結論】

インナーの種類はキャミソールかタンクトップ
透けて見えるのが前提となるシアートップスのインナーは、下着感がないタイプがおすすめです。
一枚でも着られるブラトップのタンクトップやキャミソール、ノースリーブのアイテムなら、下着っぽさがなく安心して着こなせます。
おすすめのインナー
- カップ付きキャミソール(ブラトップ)
- 肩紐が幅広のタンクトップ
- ノースリーブカットソー
- ハイネックやタートルネックのインナー(レイヤードスタイルに)
ブラの紐が見えにくいデザインを選ぶことが大切です。ストラップが取り外し可能なタイプなら、透明ストラップに付け替えたり、ストラップなしで着用することもできます。
基本の色はベージュ・黒・白の3色
シアートップスのインナーとして合わせやすい定番カラーはホワイト、ブラック、ベージュです。
ホワイト(白)
どんな色にも優しく寄り添う万能カラー。特に同じ白のシアートップスには相性抜群で、上品になじみます。明るい印象のコーデに仕上がります。
ブラック(黒)
白や淡い色のトップスなら奥行きを感じさせ、黒のトップスとの組み合わせはクールさを際立たせます。メリハリのある存在感あるコーデが作れます。
ベージュ
肌の色に近いため、肌との境目をうまくぼかしてくれます。ナチュラルで上品な印象を与え、大人っぽく着こなしたい方に最適です。
シアーシャツとインナーが馴染むことで肌感を浮き立たせることなく、ヘルシーな雰囲気になり、洗練度もアップします。同系色でまとめるとワントーンコーデ感覚で失敗なく着こなせます。
アイテム別シアー服のおしゃれな着こなしコーデ術
定番シアーシャツの着こなしパターン
シアーシャツをカジュアルトップスに重ねるだけで、透け感が加わることで全身の軽やかさが一気にアップします。
Tシャツ×シアーシャツの重ね着

白Tシャツにシアーシャツを羽織るだけで、定番コーデに抜け感がプラスされます。シャツの前を開けて着ることで、カジュアルながら洗練された印象に。
デニムパンツとの組み合わせ

シアーシャツ×デニムの組み合わせは、透け感のある素材が女性らしさを演出し、ボーイッシュなデニムの雰囲気をガラリと変えてくれます。
オーバーサイズのシルエット

身体のラインが見えにくいオーバーサイズをチョイスすることで、取り入れやすく、リラクシーな雰囲気を醸し出せます。ショート丈ならトレンド感も抜群です。
上品なシアーブラウスのオフィスコーデ
オフィスシーンでもシアーブラウスは活躍します。品のよさを保ちながらトレンドを取り入れられる優秀アイテムです。
きれいめパンツスタイル

シアーブラウスにテーパードパンツやワイドパンツを合わせれば、きちんと感のあるオフィススタイルに。足元はパンプスで女性らしく仕上げて。
タイトスカートでフェミニンに

控えめな透け感のブラウスにタイトスカートを合わせると、エレガントで洗練された印象に。同系色のインナーでまとまり感を出すのがポイントです。
ジャケットとの組み合わせ

ジャケットのインナーとしてシアーブラウスを活用すれば、堅すぎない抜け感のあるビジネススタイルが完成します。
シアートップスの季節別着回し
シアートップスは春夏に活躍するアイテムだと思われがちですが、実はオールシーズン活躍するアイテムです。
春:軽やかな羽織りとして

シンプルなTシャツやワンピースの上にさっと羽織るだけで、春らしい軽やかなコーデに。淡いカラーのシアーカーディガンが季節感を演出します。
夏:冷房対策にも

冷房とUV対策に加えて、涼しく軽やかな着心地を実現できます。ノースリーブワンピースの上から羽織れば、機能性とおしゃれを両立できます。
秋:レイヤードで奥行きを

ハイネックのシアートップスであれば、プルオーバーやニットを重ねて首元からのぞかせるとおしゃれな印象に。重ね着を楽しむ秋にぴったりの着こなしです。
冬:インナーとして華やかに

厚手のニットの下にシアーカーシャツを重ねることで、コーデに華やかさと奥行きをプラス。袖や裾からチラリと見せるテクニックがおしゃれ上級者の印象を与えます。
初心者でも失敗しないシアーコーデのコツ3選

まずは羽織りものから挑戦
シアー素材に初めて挑戦するなら、羽織りものからスタートするのがおすすめです。
シアーシャツやシアーカーディガンなら、すでに持っているTシャツやワンピースの上から羽織るだけで簡単にトレンドを取り入れられます。透け感の調整もしやすく、抵抗感なく着こなせるでしょう。
羽織るだけで抜け感とキチンと感がWで叶うコーディネートに。いつものコーデに一枚プラスするだけで、こなれた印象に変身します。
ジャケットのインナーとして活用
きちんと見せたいシーンでは、ジャケットのインナーとしてシアートップスを取り入れるのがスマートです。
ジャケットを羽織ることで透け感が程よく抑えられ、品のある大人のコーデに仕上がります。オフィスでも安心して着られる上、脱いだときにはトレンド感のあるスタイルが楽しめます。
透明感のあるシアーブラウスとジャケットの組み合わせは、女性らしさとビジネスライクな雰囲気を両立できる理想的なスタイリングです。
デニムパンツ合わせでカジュアルダウン
シアー素材の女性らしさや上品さが気になる方は、デニムパンツと合わせてカジュアルダウンするのがコツです。
デニムの持つラフな印象が、シアー素材の甘さをちょうどよく中和してくれます。白やベージュのシアーシャツに、黒のインナーを合わせてコントラストを楽しむのもおしゃれです。
足元はスニーカーやフラットシューズでカジュアルに、パンプスできれいめに、と気分に合わせて変化をつけられます。バランスの取れた大人カジュアルコーデが完成します。
まとめ
シアーとは「透け感のある薄い素材」の総称で、シースルーよりも控えめな透明感で、普段使いしやすいのがシアー素材の特徴です。
インナーはキャミソールかタンクトップがおすすめで、基本の色はベージュ・黒・白の3色を押さえておけば失敗しません。同系色でまとめると上品に、コントラストを効かせるとメリハリのあるコーデになります。
初心者の方は、まず羽織りものから挑戦し、ジャケットのインナーとして活用したり、デニムパンツでカジュアルダウンしたりと、段階的にシアーコーデを楽しんでみてください。
透け感のある軽やかなシアー素材で、季節を問わず洗練されたおしゃれを楽しみましょう。