冬の定番インナーとして愛されるヒートテック。
しかし「着ているのになぜか寒い」「汗をかいたら冷える」という経験はありませんか?
実はヒートテックには、活躍できるシーンとそうでないシーンがあります。
この記事では、ヒートテックで寒さを感じる科学的な理由と、動かない日や汗かきの方におすすめの代替インナーをご紹介します。
ヒートテックで逆に寒さを感じる3つの理由

ヒートテックは「吸湿発熱素材」という仕組みで暖かさを生み出しています。
体から出る水蒸気を繊維が吸着し、水に変わるときに「凝縮熱」が発生して発熱するのです。
しかしこの仕組みが、逆に寒さの原因になることがあります。
大量の発汗時に起きる気化熱による急激な体温低下
運動や通勤で汗をかくと、ヒートテックは一時的に発熱が加速します。
しかし問題は汗が蒸発するとき。
液体が気体になる際に熱を奪う「気化熱」が発生し、体温が急激に下がってしまいます。
お風呂上がりに濡れたままでいると冷えるのと同じ原理ですね。
特に電車を降りた後など、運動が止まったタイミングで「汗冷え」を感じやすくなります。
吸湿許容量を超えた水分飽和で発熱機能が停止
ヒートテックに使われているレーヨン繊維は、水分を吸収しやすい特徴があります。
しかし繊維が吸える水分量には限界(公定水分率)があるのです。
大量に汗をかくと、繊維が「飽和状態」になって発熱機能がストップ。
さらにヒートテックの上に重ね着をしているため乾きにくく、濡れた生地が肌に張りつき、体温をどんどん奪っていきます。
運動不足で水蒸気供給が減り発熱しないメカニズム
ヒートテックの発熱には、体から出る水蒸気が必要不可欠。
デスクワークや釣りなど、ほとんど動かない状態では水蒸気の供給量が少なくなります。
すると発熱量も減り、「着ているのに寒い」という状態に。
動かない日にヒートテックを選ぶのは、実はあまり効果的ではないのです。
ヒートテックの効果が半減するNGな着方

せっかくヒートテックを着ていても、着方を間違えると本来の暖かさを発揮できません。
ここでは効果を半減させてしまうNG着用法をご紹介します。
吸湿を阻害するキャミソールやタンクトップの重ね着
「ヒートテックの下にコットンのキャミソールを着る」という方も多いですよね。
でもこれは実はNG。
ヒートテックは肌から出る水蒸気を吸着して発熱するため、間に別の生地があると水蒸気を十分に吸収できません。
暖かさを最大限に引き出すには、ヒートテックを肌に一番近い位置で着ることが大切です。
密着度を下げるサイズ選びと経年劣化による生地の伸び
ヒートテックはジャストフィットで着てこそ本領を発揮します。
ゆったりサイズを選ぶと、肌と生地の間にすき間ができて発熱効率がダウン。
また長く着続けていると、生地のポリウレタン糸が劣化してストレッチ性が低下します。
生地が伸びると体にフィットしなくなり、保温性能が下がってしまうのです。
ユニクロ公式が推奨する寿命3シーズンを超えた着用
意外と知られていませんが、ユニクロはヒートテックの買い替え目安を「3シーズン(約3年)」と案内しています。
見た目は変わらなくても、繰り返しの洗濯や着用で生地は確実に劣化。
ヒートテックの製造年は、洗濯タグのカッコ内の数字で確認できます。
| タグの数字 | 製造年 |
|---|---|
| 34-○○ | 2023年冬 |
| 44-○○ | 2024年冬 |
| 54-○○ | 2025年冬 |
左側の十の位の数字は製造年の下一桁を、一の位の数字は季節を表しています。(1:春、2:夏、3:秋、4:冬)
3年以上使っている「ゾンビヒートテック」は、思い切って買い替えを検討しましょう。
動かない日や汗かきの人におすすめの代替インナー
ヒートテックが合わないシーンでは、別のアプローチのインナーが活躍します。
ここでは動きの少ない日や汗かきの方に最適な3つの代替インナーをご紹介します。
モンベル:ジオライン
アウトドアブランドのモンベルが開発した高機能インナーです。
ポリエステル100%で作られており、吸水速乾性がとにかく優秀。
汗をかいてもすぐに乾くため、汗冷えしにくいのが最大の特徴です。
登山やスポーツはもちろん、汗かき体質の方の日常使いにもおすすめです。
| 項目 | 特徴 |
|---|---|
| 素材 | ポリエステル100% |
| 厚さ | L.W.(薄手)・M.W.(中厚手)・EXP.(厚手)の3種類 |
| 機能 | 速乾・保温・抗菌・防臭 |
| 価格帯 | 約3,000〜5,000円 |
グンゼ:ホットマジック 裏起毛
老舗下着メーカー・グンゼの人気シリーズです。
最上位モデルの「極(きわみ)」は、なんと綿肌着7枚分の暖かさを実現。
肌側に均等にシャーリングした裏起毛が、しっかりと体を包み込んでくれます。
| 項目 | 特徴 |
|---|---|
| 素材 | アクリル55%、合成繊維20%、ナイロン20%、ポリウレタン5% |
| 発熱方式 | 吸湿発熱繊維「eks」使用 |
| 機能 | 裏起毛・ストレッチ・脇縫いなし |
| 価格帯 | 約2,500〜4,000円 |
厚手でもストレッチ性が高く、動きやすいのもポイント。
デスクワークやスポーツ観戦など、じっとしている時間が長い方におすすめです。
グンゼ:冬の綿100%あったかインナー
化学繊維が苦手な方にぴったりの、綿100%インナーです。
肌側に毛足の短い微起毛をかけた生地で、コットンでも暖かさをしっかりキープ。
保湿加工が施されており、乾燥しがちな冬の肌にもやさしい設計です。
| 項目 | 特徴 |
|---|---|
| 素材 | 綿100% |
| 生産国 | 日本製 |
| 機能 | 微起毛・保湿加工・洗濯タグなし |
| 価格帯 | 約2,000〜2,500円 |
敏感肌やアトピーの方、ヒートテックでかゆみを感じる方に特におすすめです。
ヒートテックと裏起毛インナーの賢い使い分け基準

ヒートテックも裏起毛インナーも、それぞれ得意なシーンがあります。
どちらか一方を選ぶのではなく、シーンに合わせて使い分けるのが賢い選択です。
通勤や日常の軽い動きには吸湿発熱のヒートテック
電車通勤や買い物など、適度に動きがあるシーンではヒートテックが活躍します。
歩いたり階段を上ったりする動きで水蒸気が発生し、発熱機能がしっかり働いてくれます。
薄手で着ぶくれしにくいのも、通勤やお出かけにぴったりですね。
ただし、汗をかきすぎると汗冷えの原因になるので注意が必要です。
釣りやスポーツ観戦など停滞時は空気層を作る裏起毛
釣りやスポーツ観戦、デスクワークなど、ほとんど動かない時間が長いシーンでは裏起毛インナーがおすすめ。
裏起毛は繊維の間に空気層を作り、その空気が断熱材の役割を果たします。
動きに関係なく暖かさをキープできるため、じっとしていても冷えにくいのが特徴です。
厚手の生地が体を包み込むような安心感も魅力ですね。
まとめ
ヒートテックは優秀なインナーですが、万能ではありません。
大量発汗時の気化熱、水分飽和による発熱停止、運動不足時の発熱低下など、寒さを感じる科学的な理由があります。
以下のポイントを押さえて、シーンに合ったインナー選びをしましょう。
ヒートテックが向いているシーン
- 通勤や買い物など適度に動きがあるとき
- 薄手で着ぶくれを避けたいとき
裏起毛・代替インナーが向いているシーン
- 釣り・スポーツ観戦など動かない時間が長いとき
- 汗かき体質で汗冷えが気になるとき
- 化学繊維が苦手・敏感肌のとき
自分のライフスタイルに合ったインナーを選んで、寒い冬を快適に乗り越えましょう!



