高級感あふれるムートンコート。
でも、購入する際に「これって本物?」と不安になったことはありませんか。
リアルムートンとフェイクムートンは見た目が似ていても、素材や耐久性、価格に大きな違いがあります。本記事では、本物の見分け方から、それぞれのメリット・デメリットまで徹底解説します。
購入前にチェックすれば、失敗しないムートン選びができますよ。
ムートンコート本物の見分け方5つのチェックポイント

1.毛の根元と皮の一体感
本物のムートンを見分ける確実な方法のひとつが、毛の根元を確認することです。
リアルムートンは毛が革から直接生えているため、毛の裏面がスエード状のナメシ皮になっています。指で毛を分けて根元を見ると、革と毛が一体化しているのが分かります。
一方、フェイクムートンは毛を布地に植え込んで作られています。
根元を確認するとメッシュ状の布地が見え、毛が縫い付けられている構造です。この違いは誰でも簡単にチェックできる重要なポイントといえます。
2.品質表示タグの「羊革」表記
品質表示タグは、信頼できる判断材料です。
本物のムートンには必ず「羊革」または「ムートン」という表記があります。タグには素材の詳細情報が記載されており、法律で正確な表示が義務付けられています。
フェイクムートンの場合は「ポリエステル100%」「アクリル」などの化学繊維名が記載されます。
購入前に必ずタグを確認し、素材表記をチェックしましょう。
3.表面のきめ細かさ
ムートンコートの表面は、革の質感で見分けられます。
本物のムートンは1cm四方に2000〜6000本もの毛が密集しており、表面のスエード部分も非常にきめ細かい質感です。触ると滑らかでしっとりとした感触があり、高級感が伝わってきます。
対して、フェイクムートンの表面は合成皮革で作られています。
人工的な質感があり、触るとビニールっぽさを感じることも。
光の当たり方によっても、本革特有の自然な陰影とは異なる印象を受けます。
4.内側(ボア面)の毛並みの不均一さ
意外に思われるかもしれませんが、本物のムートンは毛並みが完全に均一ではありません。
天然素材ゆえに、部位によって毛の長さや密度に自然なばらつきがあります。
また、本物の毛には弾力があり、押してもすぐに元の状態に戻ります。手で触れると、ふんわりとした復元力を感じられるでしょう。
フェイクムートンは工場で均一に製造されるため、毛並みが整いすぎています。
さらに弾力が弱く、押すとすぐに倒れたまま戻りにくい特徴があります。
5.燃焼テストによる繊維の確認方法
最終的な確認方法として、燃焼テストがあります。
ただし、これは商品を傷つける可能性があるため、購入後の確認や目立たない部分で行うことをおすすめします。
本物のムートンは動物の毛なので、燃やすと髪の毛を焼いたような臭いがして、丸まって炭化します。タンパク質が燃える特有の臭いがするのが特徴です。
一方、フェイクムートンは化学繊維のため、燃やすと溶けるように縮み、石油製品特有の臭いがします。
リアルムートンのメリットとデメリット

メリット:圧倒的な保温性と10年以上の耐久性
本物のムートンは真冬でもインナーにTシャツ1枚で過ごせるほどの保温力を持ちます。体温で温められた空気が密集した毛の間に層を作り、優れた断熱効果を発揮するのです。
さらに吸湿性と放湿性にも優れています。
汗をかいても蒸れにくく、快適な着心地が続きます。
耐久性も抜群で、毎日着用しても3〜4年、週1回程度なら6年、たまに着用する場合は10年以上使用できます。定期的なメンテナンスを行えば、一生ものとして長く愛用できるのが魅力です。
高級感のある見た目も、コーディネートを格上げしてくれます。
デメリット:20万円以上の価格相場と水濡れへの弱さ
最大のデメリットは、やはり価格の高さでしょう。
リアルムートンコートの相場は20万円前後から、高品質なものでは30万円以上することも珍しくありません。初期投資としては決して安くない金額です。
また、天然素材ゆえのデリケートさも注意点です。
水濡れに弱く、雨の日には着用を避ける必要があります。
保管時も湿気や虫食いに気をつけなければなりません。
自宅での洗濯はできず、クリーニングも皮革専門店に依頼する必要があり、1回1万円前後の費用がかかります。
手入れの手間とコストも考慮に入れる必要があります。
フェイクムートンのメリットとデメリット

メリット:1万円台から購入できる価格と手入れの容易さ
フェイクムートンの最大の魅力は、手頃な価格です。
1万円台から購入でき、気軽にトレンドを取り入れられるのが嬉しいポイント。複数のデザインを揃えることも可能な価格帯です。
リアルムートンと比較するとお手入れも簡単で、 なかには洗濯できるものもあります。
洗濯表示を確認し、ぬるま湯で押し洗いすれば、清潔に保つことができます。雨に濡れても気にならず、デイリー使いに最適です。
重さも軽く、動きやすいのも利点といえます。
カジュアルなファッションにも合わせやすく、幅広いスタイリングが楽しめます。
デメリット:3年程度の寿命と保温性の限界
一方で、耐久性には限界があります。
着用頻度にもよりますが、一般的に3年程度で毛がへたってきたり、表面が傷んだりします。
毛に弾力がなく、すぐに倒れてしまうため、使い続けるうちに見た目が劣化しやすい傾向があります。
保温性もリアルムートンには及びません。
化学繊維は天然素材ほど空気を含めないため、同じ厚みでも暖かさが異なります。
極寒地での使用や、真冬の長時間の外出には物足りなさを感じることも。
また、使い捨て感覚で購入すると、結果的にコストパフォーマンスが悪くなる可能性もあります。
ムートンコートの見分け方に関するQ&A

品質表示タグがない場合の見分け方は?
中古品やヴィンテージ品では、タグが外されていたり消えていたりすることがあります。
そんな時は、複数の判断基準を組み合わせましょう。
チェック項目の優先順位
- 毛の根元の構造(スエード状か、メッシュ状か)
- 毛の弾力と復元力
- 表面の革質感
- 重量感(本物は意外と重い)
- 全体的な質感と高級感
特に毛の根元を確認する方法は、タグがなくても有効です。
複数の箇所でチェックし、総合的に判断することをおすすめします。
購入を検討している場合は、販売店に直接質問するのも良い方法です。
信頼できるショップなら、素材について詳しく説明してくれるはずです。
エコムートンやエコファーとの違いは?
最近よく耳にする「エコムートン」「エコファー」という言葉。
これらは基本的にフェイクムートンやフェイクファーの別称です。
動物愛護の観点から、天然の毛皮を使わない製品を指すマーケティング用語として使われています。
各名称の違い
| 名称 | 素材 | 特徴 |
|---|---|---|
| リアルムートン | 羊革・羊毛 | 天然素材100% |
| フェイクムートン | 化学繊維 | 人工素材 |
| エコムートン | 化学繊維 | フェイクムートンと同じ |
| エコファー | 化学繊維 | 環境配慮を強調 |
素材的にはフェイクムートンとエコムートンに違いはありません。
ただし、「エコ」という言葉から環境に優しいイメージを持つかもしれませんが、化学繊維である点は変わりません。
購入時は名称に惑わされず、実際の素材表示を確認することが大切です。
まとめ
ムートンコートの本物とフェイクを見分けるには、毛の根元の構造、品質表示タグ、表面のきめ細かさ、毛並みの弾力、そして燃焼テストという5つの方法があります。
本物は20万円以上と高価ですが、10年以上使える耐久性と圧倒的な保温性が魅力です。一方、フェイクは1万円台から購入でき、手入れも簡単ですが、3年程度で買い替えが必要になります。
どちらを選ぶかは、予算やライフスタイル次第です。
一生ものとして大切に着たいなら本物のムートンを、気軽にトレンドを楽しみたいならフェイクムートンを選ぶと良いでしょう。
購入前に今回ご紹介した見分け方を実践して、自分に合った一着を見つけてくださいね。




